
「Googleでログイン」や「Appleでサインイン」を外せば、そのサービスに渡した名前、メールアドレス、投稿、購入履歴も消えるのでしょうか。結論から言うと、連携の解除は主にアクセス権やログイン経路に関する操作です。連携先の会員アカウントや、そこで保存されたデータの削除とは、通常は別に確認する必要があります。
外部ログインには、別々の三つのものがある
混同しやすいのは、「連携」という言葉が複数の状態をまとめて指しやすいことです。確認するときは、次の三つを分けます。
一つ目は、GoogleやAppleから連携先サービスへ与えた認可です。認可とは、本人確認の結果や、利用者が許可した情報へのアクセスを連携先に認めることです。外部ログインでは、OAuth 2.0やOpenID Connectといった仕組みが一般に使われます。
二つ目は、連携先サービスに作られた利用者アカウントです。サービスは外部ログインで得た識別情報を手掛かりに、自社内の会員アカウントを作ります。
三つ目は、連携先が利用中に保存したデータです。プロフィール設定、投稿、注文履歴、ゲームの進行状況などは、通常、連携先サービスの運営側が管理するデータです。この三つは管理する場所も役割も同じではありません。
連携元で認可を取り消すと、主に何が変わるのか
GoogleまたはAppleの設定で第三者サービスへのアクセス権やサインイン連携を取り消すと、通常は、その連携を使って新たな認可情報を得ることや、連携元から許可された継続的なアクセスを止める方向に働きます。ただし、すでにログイン中の端末でいつ利用できなくなるか、取り消し後に同じ外部ログインを使えるかは、連携先の実装や既存のログイン状態によって異なります。
大切なのは、認可の取り消しが連携先への削除指示そのものではない点です。連携先がすでに保存した登録情報や利用データが、自動的に消えるとは限りません。逆に、連携先のアカウントを削除しても、GoogleやAppleの側にある第三者サービスの認可表示が自動で消えるとは限りません。
「何も渡っていない」とも「全部を見られる」とも限らない
GoogleやAppleが連携先の全データを自由に見たり消したりするわけではありません。一方で、連携先に何も渡っていないとも限りません。ログイン時に渡る情報やアクセスできる範囲は、表示された許可画面、利用者が認めた内容、サービスの設計、利用時期によって変わります。
特に、Google Drive、カレンダー、メール、写真などへの継続的なアクセスを許可していた場合は、単なるプロフィール連携より確認が重要です。どの情報への権限を許可していたかを、連携元の設定画面と連携先サービスの設定画面の両方で見直します。不要な権限を残さず、利用目的に必要な範囲に絞る考え方が基本です。
先に連携を切ると、自分が入れなくなることがある
外部ログインだけを使っていたサービスでは、認可を先に取り消すと、連携先へログインできなくなることがあります。連携先でパスワードを設定できる場合、メールのリンクでログインできる場合、別の外部アカウントを追加できる場合もありますが、利用できる方法はサービスごとに異なります。
Appleのメールアドレス非公開機能を使った場合、連携先には普段使うメールアドレスではなく、Appleが用意した転送用アドレスが登録されていることがあります。連携を止める操作は、通知メールやアカウント復旧に影響する可能性があります。登録メールアドレスと復旧方法を、連携先で先に確認しておくと判断しやすくなります。
不要な連携を整理する順番
使い続けるサービスなら、最初に連携先へログインできる状態で、登録メールアドレス、代替ログイン方法、パスワード設定の可否、二段階認証、復旧手段、定期契約や残高の有無を確認します。代替手段を設定した場合は、実際にログインできることも確かめます。
サービスを使わなくする場合は、連携先の「連携解除」と「アカウント削除・退会」の案内を別々に読みます。削除対象、保存データの扱い、処理時期、再ログイン時の扱いを確認し、必要ならデータを手元に保存してから手続きを進めます。本人確認中の手続き、定期購入、仕事用・学校用、共同管理のアカウントは、先にサービスのサポートや管理者へ確認するほうがよい場合があります。
その後、または連携先の案内に従って、GoogleまたはApple側の第三者サービスの認可を見直し、不要なアクセス権を取り消します。取り消した日、対象サービス、残したログイン方法をメモしておくと、後でログインや問い合わせが必要になったときに役立ちます。
不正利用が心配なときは、解除だけで終えない
身に覚えのない連携や利用がある場合は、連携解除だけで判断せず、連携元と連携先のログイン履歴、登録メールアドレス、パスワードや追加認証、決済情報を優先して確認します。メールや通知内のリンクではなく、普段使う公式アプリやブックマークから設定画面を開くと、偽の案内に誘導されるリスクを抑えられます。
外部ログインの整理では、「認可を止めること」「サービスのアカウントを扱うこと」「保存データを削除すること」を一つの操作と考えないことが出発点です。使うサービスごとに、残すログイン手段と不要な権限を確認してから操作しましょう。