本文へ移動
デジタル情報マネージャーDigital Information Manager
KNOW THE DIGITAL

知ってるようで知らないデジタル

「退会」と「アカウント削除」は同じ?──やめたサービスで何が残るかを確かめる6項目

使わなくなったサービスで「退会」したら、個人情報や投稿、カード請求もすべて終わったのでしょうか。結論から言うと、退会、解約、アカウント削除、データ削除は同じ意味とは限りません。画面の言葉だけで判断せず、何を止め、何が残るのかを確認することが大切です。

「やめる」には、少なくとも五つの状態がある

オンラインサービスでは、一つの操作が複数の処理をまとめている場合もあれば、別々の手続きになっている場合もあります。確認したいのは、契約、アカウント、公開物、個人情報、請求記録という五つの状態です。

契約は、月額料金や自動更新を止めることです。アカウントは、ログインできる状態を閉じることです。公開物は、プロフィール、投稿、コメントなどを非表示、削除、または投稿者が分からない形に変える処理を指します。個人情報は、登録した連絡先や設定、アップロードしたファイルなどの扱いです。請求記録は、支払い、返金、注文に関する記録です。

これらは目的が異なります。サービスの利用を終える処理と、会計上の記録、不正利用の調査、障害対応のための記録を扱う処理が、同じタイミングで終わるとは限りません。デジタルサービスでは、認証、決済、投稿、他者とのやり取りが別の仕組みにまたがるためです。

アプリ削除・メルマガ解除・解約は、アカウント削除とは別

アプリを端末から削除する操作は、基本的には端末内のアプリを消す操作です。サービス側のアカウントや契約まで消えることを意味するとは限りません。メルマガの配信停止も、メールを送る設定を変える手続きであり、登録情報全体の削除とは別です。

サブスクリプションの解約は、将来の継続請求を止めるための手続きです。有料期間の終了日、返金の扱い、アカウントを残したまま無料利用へ移るかどうかは、サービスごとに異なります。アプリストア経由で課金している場合は、サービス内の削除手続きと請求停止の窓口が分かれていることもあります。

反対に、アカウント削除を申請しても、投稿、共同で使うデータ、購入履歴、請求・返金記録がどのように扱われるかは別に説明されることがあります。「削除済み」という表示だけで、すべての記録が直ちに消えたと考えないほうがよいでしょう。

投稿やメッセージは、自分の操作だけでは消えないことがある

SNSの投稿、フリマの取引記録、共同作業のファイル、相手に送ったメッセージなどは、他者との関係がある情報です。自分のアカウントを削除しても、相手の受信箱に届いた内容、第三者が保存した画像、転載された投稿まで消せるとは限りません。

また、金融、通信、医療、行政関連のサービスや、取引・残高を扱うサービスでは、本人確認、取引、紛争対応などに関する情報の扱いが一般的なサービスと異なることがあります。情報が残ることだけで問題の有無は判断できません。何の情報を、どの目的で、いつまで保持する説明になっているかを見ることが重要です。

削除前は、先に保存と引き継ぎを確認する

削除を急ぐ前に、必要な注文履歴、領収書、連絡先、写真やファイルを安全な場所へ保存します。保存データを出力する機能がある場合もありますが、対象や形式はサービスごとに異なります。

登録メールアドレスや電話番号が、別の重要なアカウントの復旧先になっていないかも確認してください。外部ログイン、連携アプリ、残高、ポイント、未完了の取引が残っている場合もあります。家族プラン、法人契約、学校や職場の管理アカウントでは、本人だけで削除できないことや、管理者への確認が必要なことがあります。

手続き画面で確認したい6項目

使わないサービスは、メールの検索、パスワードマネージャー、端末のサブスクリプション一覧、カード明細や決済履歴を手掛かりに洗い出せます。そのうえで、各サービスの契約・請求ページ、削除手続き画面、プライバシー説明を読みます。

確認する項目は六つです。①自動更新の停止日と請求元、②ログインできなくなる時期、③アカウント削除の申請経路、④プロフィール・投稿・メッセージ・保存ファイルの扱い、⑤削除完了までの期間と再ログイン時の扱い、⑥保持される情報とその理由です。削除申請後に猶予期間があり、その間の再ログインで申請が取り消される設計もあるため、確認目的でログインする前に案内を読みます。

手続き後は、受付メール、受付番号、削除予定日を保管します。案内された時期を過ぎた後、請求が止まっているか、公開表示がどうなっているかを確認します。ただし、確認方法もサービスの案内に従います。制度や保存期間、削除できる範囲は国・地域・業種・契約内容によって異なるため、不明な点は最新の公式説明や必要に応じて公的な相談窓口で確かめましょう。