
昔使ったサービスのアプリをスマホから消したなら、GoogleやAppleとの連携も終わったと思いやすいものです。しかし、アプリの削除だけで、親アカウントが第三者サービスに与えたアクセス権まで取り消されるとは限りません。端末、サービス側のアカウント、親アカウント側の連携という三つを分けて確認することが大切です。
アプリを消す操作は、連携解除や退会とは別
アプリのアンインストールは、主にスマホ内のアプリ本体と、その端末にある一部のデータを消す操作です。一方で、サービスの利用者アカウント、保存済みの投稿や利用履歴、契約中の課金、GoogleやAppleなどで許可した連携は、クラウド側に残ることがあります。
「Googleでログイン」「Appleでサインイン」のような連携ログインでは、サービスごとにパスワードを新設しなくても、親アカウントを使って本人確認できます。一般にOAuthやOpenID Connectと呼ばれる仕組みが使われ、親アカウントは第三者サービスへ、本人確認に必要な情報や、利用者が同意した範囲のデータに関するアクセス権を発行します。
一度許可したサービスで、次回から確認の手間を減らせることは便利です。その反面、使わなくなった連携が端末のアプリアイコンからは見えなくなります。「アプリを消した」「退会した」「連携を取り消した」は、同じ意味ではありません。
一覧に残ることと、広いデータアクセスは同じではない
連携の内容には幅があります。単にログイン時の本人確認や識別情報だけを利用する場合もあれば、メールアドレス、基本プロフィール、カレンダー、連絡先、クラウドストレージなどへの追加アクセスを許可する場合もあります。実際に何が許可されているかは、当時の同意内容、サービス、親アカウント側の表示によって異なります。
そのため、連携一覧にあるサービスを見つけても、ただちに「すべてのデータを読める」と決めつける必要はありません。反対に、使っていないからと放置せず、サービス名、最後に利用した記憶、許可された情報やデータの範囲を一件ずつ見る価値があります。必要な機能に必要な情報だけを許可する、最小権限という考え方に沿うためです。
削除は「サービス側」と「親アカウント側」の二段階で考える
不要な連携を整理するときは、まずそのサービスを今後も使うか、保存データや課金契約がないかを確認します。残したいデータがあれば、サービス側でエクスポートできるかを先に確認します。継続利用しないなら、サービス側で退会、アカウント削除、必要に応じてサブスクリプションの解約を行います。
次に、GoogleアカウントやApple Accountなど、親アカウントのセキュリティ設定やサインイン関連設定から、第三者アプリとサービスの一覧を探し、そのサービスのアクセス権を取り消します。画面の名称や表示内容は変わり得るため、固定的な操作名ではなく、親アカウントの公式ヘルプも確認しながら進めるとよいでしょう。
親アカウント側で権限を取り消しても、第三者サービスが過去に取得し、自社のアカウントに保存したプロフィール情報や利用履歴まで自動で消えるわけではありません。これはサービス側の削除手続きが必要になる理由です。また、連携一覧から消えていても、サービス側のアカウントや課金契約が消えたとは限りません。
先に別のログイン方法を用意したほうがよい場合
連携を取り消すと、そのサービスへGoogleやAppleで再ログインできなくなることがあります。今後もサービスを使う予定がある場合は、先にサービス内でメールアドレス、別のログイン方法、復旧手段を追加できるか確認します。連携解除の後でログインできず、データだけが残る事態を避けるためです。
Appleでサインイン時にメールアドレスを非公開にしていた場合も、サービス側にはAppleの中継用メールアドレスなど、連絡に使う識別子が残ることがあります。連携解除だけを個人データの完全な削除と考えず、サービス側のアカウント情報も確認します。
仕事や学校のGoogleアカウントでは、組織の管理者が第三者アプリの利用や解除を管理している場合があります。自分で変更できないときは、組織の案内に従います。GoogleやApple以外にも、Microsoftアカウント、SNS、ゲーム機のアカウントなどで同様の連携があり、確認場所はそれぞれ異なります。
半年ごとの一覧確認を、親アカウント点検に加える
使っていないアプリを記憶だけで探すより、親アカウントの連携一覧を起点にするほうが漏れを減らせます。半年ごと、機種変更時、親アカウントのセキュリティ設定を見直す時期など、続けやすいタイミングを決めましょう。サービス名、利用の必要性、権限の範囲、サービス側のデータと課金の有無を確認します。
見覚えのない連携や身に覚えのないデータ権限、心当たりのない通知がある場合は、連携解除だけに頼りません。親アカウントの最近のログイン状況、ログイン中の端末、パスワード、二段階認証も確認します。連携ログインを一律に避けるのではなく、親アカウントを守り、不要になった許可を減らすことが、日常的にできる整理になります。